こんにちは。歌い手&作詞作曲DTMerのLettyです。
「DTMをやってみたい!」と、最初は期待に胸を膨らませてワクワクしていたはずなのに、いざやろうとしてみると難しすぎて挫折してしまう…という人は多くいます。では、何故挫折してしまうのでしょう。DTMで躓きやすいポイントは、大体皆同じです。
私も最初は本当に何度も挫折しそうでした。しかし、原因と対処法を知ることで、今も楽しくDTMを続けることができています。
そこで今回は、初心者がDTMで挫折する原因と、その対処法について紹介していきます。
DTM初心者の挫折率が高い・挫折しやすい原因
初心者がDTMで挫折しやすい理由は、主に以下の10個です。
・何をどうすれば良いのかわからない ・音楽の知識、経験がない ・DAWソフトの使い方がわからない ・完璧主義で目標が高すぎる ・やることがあまりにも多い ・モチベーションが続かない ・時間がなくて後回しになりがち ・機材が高くて金銭的に厳しい ・思ったように曲が作れない ・自分の力だけでどうにかしようとしてしまう |
それぞれについて、解説していきます。
何をどうすれば良いのかわからない
何をどうしたらいいのかわからないという状態になってしまうと、もう全部投げ出したくなってしまいますよね。まず、何をどうしたらいいのかというよりは、何をやってみたいのか考えてみましょう。
また、やるべき順番が間違っている場合も、思い通りにいかず難しく考えてしまいがちです。スムーズに進めていくためには、自分が何をやるべきなのかということを明確にする必要があります。
DTMは、何をやってもいいという自由の世界だからこそ、道に迷いやすいのです。そして、「こうあるべき」という正解もないので、丸投げされているように感じてしまいやすいのです。
音楽の知識、経験がない
音楽の知識がある人や楽器の経験がある人は、”音楽とはどういうものなのか”というのを感覚的に把握できていることが多いです。理論で説明できなくても、感覚では把握できている内容もあるのです。
しかし、音楽の知識や楽器の経験が全くないという人にはそれは難しく、DTMに対してハードルが高く思えてしまうことが多いのです。
例えば、ピアノを習ったことがあるとか、バンドをやっていたとか、吹奏楽をやっていたとか、何かしら音楽の経験があれば、すらすらと弾けなくても音楽の知識や感覚的なものが何となくでも身に付きやすいです。また、音楽理論を勉強したいと思った時にも、内容がすらすらを入ってきやすいので、音楽をやっていた人の方が有利になります。
DAWソフトの使い方がわからない
DAWソフトって、開いてみるとすごく複雑なように見えますよね。どのソフトを使うのかによっても、同じ機能であっても開く場所が違ったりします。しかし、備わっている機能自体はどのソフトを使ってもそこまで大きな違いはないです。
DAWソフトの操作は、本当に複雑でわかりにくいです。これらの操作方法を全部覚えようとすると、ものすごく大変になります。また、人それぞれソフトにも相性がありますので、今使っているソフトとの相性が悪い可能性も考えられます。
完璧主義で目標が高すぎる
あまりにも目標が高すぎると、「やっぱり自分には無理なんだ…」と思ってしまいます。しかし、最初からいきなり完璧にできる人なんていません。
少しずつ積み重ねて、できることが増えていくのです。どんな人でも、プロの人ですら初心者の時があったのです。
そのため、焦っていきなり何もかもできるようになることを当たり前だと思うのは危険です。いきなりはできなくて当たり前だということを忘れないでください。最初は特に、目標を達成することよりもまず楽しむことが一番大事です。
やることがあまりにも多い
DTMと一括りにして言うと一つのことしかしていないように思えるかもしれませんが、実際にはそんな単純なことではありません。
・作詞
・作曲
・編曲
・ミックス
・マスタリング
大まかに分けても、これだけ多くの作業が存在します。しかも、この作業のそれぞれに専門家が存在するぐらい、全部をやるということは大変なことなのです。それをわかっていなければ、心が折れてしまうのも仕方ありません。
また、ミックスやマスタリングに関しては、最近はAIで自動で行ってくれるソフトもあったりするので、そういうものを使うのがおすすめです。私も、ミックスやマスタリングはそのようなソフトを使っています。
モチベーションが続かない
モチベーションが出ないままだと、結局挫折してしまうということになりやすいです。人は、何かをするためのモチベーションが常にあるわけではありません。初心者のうちは特に、思うように曲が作れなかったりすることが多いので、モチベーションも下がってしまうことが多いです。
このように、最初は意気込んでいたとしても、モチベーションの低下によりだんだんやらなくなってしまうのです。
挫折しないためには、自然に湧き上がってくるモチベーションに頼ってはいけません。ではどのようにすれば良いのか、後ほど解説します。
時間がなくて後回しになりがち
DTMだけに時間を費やせればいいですが、そうもいきませんよね。私たちは、食事・睡眠・トイレ・お風呂・家事・仕事・学校など…やるべきことがたくさん存在します。忙しい中でこれらのやるべきことを済ませたら、疲れて寝てしまったりダラダラしてしまうということもあります。
その限られた時間の中でDTMをやるとなると、忙しくてなかなか時間がないという人も多いです。しかし、忙しくても時間の管理をうまくできている人は存在します。
このような忙しい人でも時間を作るには、毎日歯磨きしたりするのと同じように、習慣化させることが大事です。一度習慣化してしまえば、無意識でも何も考えていなくてもできてしまうのです。
機材が高くて金銭的に厳しい
DTMに使う機材は、確かにお金がかかります。しかし、機材や音源などの質は、曲のクオリティに影響しやすいです。パソコンさえあれば作曲自体はできなくはないですが、あまりお金をかけていなくても素晴らしいものが作れるという人は少ないです。
世の中で、素晴らしい曲をたくさん作っている人たちは、だいたい機材や音源などにお金をかけています。機材類を何も揃えないままだと、やはりクオリティに満足できなくて挫折してしまいやすいのです。
思ったように作曲ができない
思ったように作曲ができないのは、既存曲がどのように作られているのかを知らないからです。
例えば、ハンバーグを作りたいとします。ハンバーグには、玉ねぎ・パン粉・卵などいろいろな材料が入っています。しかし、完成した見た目からは、中にそれらの材料が入っていることはわかりにくいですよね。
料理を全くしない人からしたら、どんな材料を使ってどんな工程で調理をしているのか全然わからないでしょう。つまり、料理をしたことがない人がハンバーグを作るには、レシピが必要なのです。
それと同じように、曲が作れない人は、どんな楽器(音源)を使ってどんな風に音を混ぜていくのか、という完成させるまでの過程がわかっていないことが多いです。当然、それがわからなければ曲を作るのには苦戦してしまいます。
自分の力だけでどうにかしようとしてしまう
「自分の作った曲を他人に聴かれるのは恥ずかしい」、「こんな状態では人に聴かせられない」などと思うこともあると思います。しかし、誰にも頼らず自分一人で抱えていては、改善点がわからず成長しにくいです。
DTMは、一人でできるというところが良いところでもあります。一人で集中して、誰にも邪魔されずに作業するというのも気楽で楽しいものです。
しかし、やっていくうちにわからないことや一人では解決できない問題に遭遇することもあります。それらが解決されないままだと、挫折に繋がってしまいます。
DTMで挫折しないための対処法
それでは、どのようにすればDTMを挫折せずに続けられるのでしょうか?ここからは、DTMで挫折しないための対処法を14個紹介していきます。
・知識を増やす ・楽器を始めてみる ・自分のやりたいことに必要な操作方法を覚える ・DAWソフトを変えてみる ・完璧主義ではなく、完成させることを目標にする ・目標を細分化してみる ・優先順位をつける ・作業興奮を利用してモチベーションを管理する ・他人と比較しないこと ・習慣化させること ・機材や音源にお金をかける ・音楽をたくさん聴く ・耳コピをたくさんする ・作った曲を他人に聴いてもらう |
それぞれについて、解説します。
知識を増やす
何が何だかわからないという人は、知識が少ないためにどうしていいのかわからなくなるのです。そのため、まずは知識を得るということが必要になってきます。
DTM・作曲・編曲・ミックス・マスタリング・音楽理論などにおいての教材を買ってみたり、ブログを読み漁ってみたり、教室やスクールに通うのもいいでしょう。
私も最初はいろんな本を読んだり、インターネットで調べたりしていました。独学でもできないことはないので、少しずつでも知識を増やしていきましょう。
楽器を始めてみる
音楽のことが何もわからないという人は、楽器を始めてみるのも一つの手です。楽器は、ピアノでもギターでも何でも構いません。しかし、楽器を始めたからといって、めちゃくちゃ弾けるようにならなくても良いのです。
弾けるようになることよりも、やるということに意味があります。なぜなら、楽器を経験することで、「音楽とは大体こうなっているのだな…」ということがわかってきたりするのです。
例えば、「この曲はイントロとサビのコード進行が同じだな」とか「ここは同じことの繰り返しだな」とか「ギターのリズムはこんな風に刻んでいるのか」など、多くの気づきが得られます。それによって、自分で作曲する時にもそれを活かすことができるため、自然と引き出しが増えていきます。
自分のやりたいことに必要な操作方法を覚える
DAWソフトには、様々な複雑な操作があります。しかし、自分のやりたいことにおいて使わない機能もあったりしますので、ひとまずは全ての操作を覚える必要はありません。
例えば、打ち込みがしたいのであれば、打ち込みの操作方法を覚える必要があります。歌を録音したいなら、機材の接続方法や録音の方法を覚える必要があります。ミックスがしたいなら、エフェクターの使い方を覚える必要があります。
このように、自分のやりたいことにおいて必要な操作方法を覚えるようにしましょう。覚えなくても済むようなことは、無理に覚えようとする必要はありません。いずれ必要になった時に覚えればいいのです。
DAWソフトを変えてみる
DTMに使うソフトは、いろんなものがあります。初心者の場合は、比較対象のソフトがないので、「安いから」とか「皆が使ってるから」などの理由で選ぶことも多いと思います。
しかし、しばらく使ってみて「なんか使いづらいな」と感じるようであれば、そのソフトが自分に合っていない可能性もあります。相性の悪いソフトを使っていると、いつまでも「DTMは難しい」という印象を持ってしまいやすいです。
そういった場合は、思い切って別のソフトに乗り換えてみた方がしっくり来る場合があります。
完璧主義ではなく、完成させることを目標にする
初心者のうちは特に、完璧なものを作ろうと思ってはいけません。もちろん、完璧なものを作りたいと思う気持ちはわかりますし、その向上心を持つことは大切です。しかし、最初はそれよりも最後まで完成させるということを目標にしましょう。
完璧主義の人によくあるのが、どこかで躓いてしまったらその先に進めなくなってしまうことです。私も完璧主義なタイプなので、なかなか進まないということはよくあります。しかし、そこで立ち止まるのではなく、できるところからどんどん進めていった方がいいです。
目標を細分化してみる
目標があまりにも大きいと、挫折してしまう原因になります。それを防ぐためには、できるだけ目標を細分化することが大切です。
なぜなら、大雑把な目標だと達成するまでに時間がかかってしまうからです。しかし、小さな目標であれば、達成するためのハードルが下がります。
例えば、「作曲をする」という目標であれば、1曲作りきるまでとても大変で、挫折しそうになってしまいます。しかし、これを噛み砕いてみると、
・メロディーを考える
・メロディーにコードをつける
・楽器の音色を選ぶ
などのように、小さな目標をたくさん作ることができます。このように、目標を細分化することで、やるべきことが見えてきやすいです。そのため、「次はどうしたらいいのだろう?」といった悩みを減らすことができます。
優先順位をつける
DTMでは、やることが多いため優先順位をつけて行動することが大切です。いきなり全部を同時進行でやろうとすると、手が回らなくて頭も追いついていきません。
例えば、「とにかく作曲だけを頑張る」とか「編曲に自信がないから編曲に力を入れよう」などのように、やりたいことを優先的にやりましょう。そうと決めたら、それ以外はできなくても良いぐらいの気持ちで臨みます。
そうすることによって、やるべきことも見えやすくなり、無理なく進めることができます。
作業興奮を利用してモチベーションを管理する
待っているだけで勝手にモチベーションが出てくるのであれば、苦労はしません。人は、モチベーションが出なくて当然なのです。
もちろん、自然とやる気が湧いてくることもあるかもしれません。しかし、それに頼ってしまうといつやる気が出てくるのかもわからないし、それまでずっと何もできないということになってしまいます。
そこで、発想を逆転させるのです。モチベーションが出たら行動するのではなく、行動することでモチベーションを生み出すのです。
例えば、やる気がなくても「5分だけにしよう」と思ってとりあえず椅子に座ってパソコンを開いてください。そうすると、いざ始めてみると5分以上経過していることが多いです。気づいたら、30分以上やっていたということもあるでしょう。
このように、行動することでモチベーションが生まれてくるという仕組みを、作業興奮といいます。これに頼れば、無理をしなくても毎日継続して作業することができます。
他人と比較しないこと
「プロの作った曲はすごいのに、それに比べて自分は全然だめだ…」と、落ち込んでしまう気持ちもわかります。しかし、他人の作品と比べてばかりいると、どんどん自信がなくなってしまいます。
音楽をたくさん聴くことは大事ですが、自分のクオリティと比較することを目的にしてはいけません。もちろん、比較することは勉強にもなるのでそれ自体がダメなわけではないですが、ネガティブな意味で比較するのはやめましょう。
・この前できなかったことが、今はできるようになった
・知らなかった知識を得ることができた
など、「過去の自分よりも成長できた」ということに目を向け、自信を持ちましょう。焦る必要はありませんので、自分は自分のペースで進んでいきましょう。
習慣化させること
「時間がなくてできない…」ということにならないためには、習慣化させることが大事です。1日8時間とか、そんなに長時間やる必要はありません。毎日少しでもいいので、まずはパソコンを立ち上げてソフトを開くという習慣をつけましょう。
習慣化させるには、毎日のルーティンに組み込むのがおすすめです。例えば、ご飯を食べたり、歯磨きをしたりするのは、「よし!やるぞ!」と意気込んですることではありませんよね。
それと同じように、DTMも毎日のルーティンの一部として習慣化されれば、継続するのはそんなに難しいことではないのです。作業をどれだけ進められるかということよりも、まずは「毎日やる」ということの方が大事なのです。
習慣化されれば、毎日10分しかやらなかったとしても、1年続ければ3,650分も作業できているということになるのです。
機材や音源にお金をかける
なるべく、機材や音源などはケチらないで揃えることをおすすめします。なぜなら、DTMにおいては、それによって曲のクオリティが変わりやすいからです。当たり前ですが、良いものを使った方が良いものができます。
というのも、機材や音源にお金をかけるということは、時間短縮にもなるからです。例えば、プラグイン・音源・機材などに課金すると、めんどくさい作業が簡単にできてしまったりするのです。
具体的な例で言うと、メロディーを打ち込むという作業でも、パソコン上で1つ1つポチポチと音を入力するより、キーボードで弾いて打ち込みをした方が圧倒的に早く簡単に作業が終わります。
このように、DTMでは地味に時間のかかる作業が多いです。そのため、いかにストレスをなくすかということが大事です。やらなくてもいいことや、簡単にできることが増えてくると、作業へとりかかるハードルもかなり下がります。そのため、なるべく自分の予算内で用意できるものを探しましょう。
音楽をたくさん聴く
いろんな音楽を聴くことで、いろんな発想が生まれやすいです。「こんな感じの曲調で作ってみたいな」とか、「このコード進行いいな」とか、参考にできる材料がたくさんあります。
音楽をたくさん聴くと、自分の作りたい音楽が見えてきます。気に入った曲があれば、「この曲はどんな風に作られているのだろう?」と気にしながら分析してみましょう。
目を閉じて、何の楽器が使われていて、どんな動きをしているのかなども意識しながら聞いてみると良いです。そうすることによって、だんだんと音楽的な耳が養われていきます。
耳コピをたくさんする
DAWソフトに音を打ち込んで既存曲の再現をすることを、耳コピといいます。耳コピは、作曲の能力アップのために最もおすすめの方法です。
「思うように曲が作れない…」と悩んでいるのであれば、既に誰かが作っている曲をできる限り細かく分析してみてください。耳コピを何曲かやっていくうちに、曲の作り方の基礎のようなものが見えてきます。
使われている楽器・コード進行・リズムのパターン・曲の構成など、耳コピをするだけでもかなり多くのことが学べます。
作った曲を他人に聴いてもらう
曲を作り終えると、誰かに聴いてもらうことをおすすめします。なぜなら、人に聞いてもらうことで、自分だけはわからなかったことや改善点が見えてきたりするからです。
誰かに聴いてもらうということをしなければ、自分の作ったものをどう評価していいかわからず、立ち止まってしまいやすいです。一人で試行錯誤するのも大事ですが、区切りの良いところまで作れたら、一旦誰かに聴いてもらってください。他人からの新しい視点は、自分では考えもしなかったことや予想外の解決方法が出てくることもあります。
また、聴いてもらう場合は、身近な人や本当のことを言ってくれる人を選んだ方がいいです。正直なアドバイスをもらえた方が改善に繋がりやすいため、挫折する可能性も低くなります。
また、わからないことや解決できない問題が出てきた場合は、音楽仲間や専門家に相談するのも一つの手です。
まとめ
ここまで、DTMで挫折率が高い理由とその対処法について解説してきました。
《DTMで初心者が挫折しやすい原因》
・何をどうすれば良いのかわからない
・音楽の知識、経験がない
・DAWソフトの使い方がわからない
・完璧主義で目標が高すぎる
・やることがあまりにも多い
・モチベーションが続かない
・時間がなくて後回しになりがち
・機材が高くて金銭的に厳しい
・思ったように曲が作れない
・自分の力だけでどうにかしようとしてしまう
《挫折しないための対処法》
・知識を増やす
・楽器を始めてみる
・自分のやりたいことに必要な操作方法を覚える
・DAWソフトを変えてみる
・完璧主義ではなく、完成させることを目標にする
・目標を細分化してみる
・優先順位をつける
・作業興奮を利用してモチベーションを管理する
・他人と比較しないこと
・習慣化させること
・機材や音源にお金をかける
・音楽をたくさん聴く
・耳コピをたくさんする
・作った曲を他人に聴いてもらう
今回紹介したように、挫折しやすい原因がわかれば、対処の方法もわかります。自分がどこで立ち止まってしまっているのかを考え、これらの対処法を実施していけば、どんどん作業が進んでいくはずです。
挫折しそうになっているという方は、諦めずに是非これらの方法を試してみてください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。