こんにちは。歌い手&作詞作曲DTMerのLettyです。
DTMは、初心者にとってはどうしてもハードルが高く、難しいと感じやすいのではないでしょうか。それには、いろんな要因が関与しています。
私自身も、最初はすごくハードルが高いように感じていました。しかし、難しいと感じる原因を一つ一つ理解し解決していくことで、ハードルをだんだん下げていくことができました。
そこで今回は、DTMが難しいと感じてしまう原因と、その対処法について解説していきます。
Contents
DTMが難しすぎると感じてしまう原因
DTMが難しすぎると感じてしまうのには、主に以下の9つの原因があります。
・スキルがない ・知識と経験が足りていない ・やることが多すぎる ・忙しくてやる時間がない ・効率が悪い ・何となく苦手意識がある ・完璧主義で自分に厳しくしてしまう ・自分一人で何とかしようとしている ・使っているソフトが自分に合っていない |
それぞれについて、詳しく解説します。
スキルがない
最初は、スキルがなくて当たり前です。作曲のやり方やコツなどは、本や動画サイト等でも見ることができます。しかし、それらの情報を集めるだけではスキルは簡単に身につきません。
覚えたことはまず自分でやってみて、反省と改善を繰り返すことが大事です。情報をインプットすることだけにとらわれず、実践としてアウトプットするところまでを意識しましょう。
知識と経験が足りていない
DTMには、ソフトや機材の使い方や作曲の仕方など、その他にもたくさん覚えることがあります。そういった知識や経験がない場合、どうしてもハードルが高く、難しいと感じてしまいやすいです。
実際、DTMが世間的に難しいと言われている理由の大半が、覚えることが多すぎるからというものです。何年かやっている人ですら、まだまだわからないことが多くあったりします。
そのため、初心者の場合はまずできそうなことや興味を持てそうなことから知識を深めていったり、経験を積んだりすることが大事です。
やることが多すぎる
DTMでは、やることがたくさんあります。全体の流れだけでも、「①作曲→➁編曲(アレンジ)→③録音(レコーディング)→➃ミックス→➄マスタリング→➅完成(配信・公開)」というように、非常に工程が多くなっています。
➀作曲
主にメロディを作る作業のことをいいます。コード進行と、それに合わせたメロディを作ります。
➁編曲(アレンジ)
作曲で出来上がったコード進行とメロディに、さまざまな楽器を足していくことで伴奏をつける作業です。
③録音(レコーディング)
歌ものの曲である場合は、ボーカルやコーラスなどのレコーディングを行います。
④ミックス
出来上がった曲の音量バランスを整えたり、プラグインなどを使って最後の仕上げを行い、2mixとよばれる音源を作る作業のことをいいます。
➄マスタリング
配信先のフォーマットに合わせて、音圧を調整する作業のことをいいます。
最近では、ミックスとマスタリングが同時に平行して行われることも多くなってきましたが、元々はミックスが終わったあとにマスタリングの作業が行われていました。
➅完成(配信・公開)
全ての作業が終了したら、必要に応じて配信などをするための手続きが必要になります。配信の場合は必要ないですが、CDとして販売する場合にはジャケット写真や歌詞カードの準備なども必要になります。
これらの作業をいきなり全部一人でやろうと思うと、考えるまでもなく大変です。なぜなら、これらの作業の一つ一つが単純なものではなく、奥が深いものだからです。一人で多くの人の仕事を抱えると、キャパオーバーになって潰れてしまうこともあります。
そうならないためは、いきなり全部やろうと思わずに、一番やりたいことを優先するようにしましょう。
忙しくてやる時間がない
忙しいと、どうしても時間を割くことが難しくなってしまいます。学校や仕事など、様々な事情があるでしょう。しかし、重い腰を上げて「さぁ、やろう」と思うように頑張る必要はありません。
例えば、毎日お風呂に入ったり歯磨きしたりするのと同じように、毎日やる作業を決めて習慣化してしまえば頑張らなくても当たり前のようにできるようになります。
「とりあえずパソコンをつけて、10分だけ作業する」という風に、簡単にできそうなタスクを自分で決めて、日常生活の中に取り入れて習慣化させてみましょう。そうすることで、無理なく時間を作ることができます。
効率が悪い
初心者が効率を気にして作業をするというのも、難しいと思います。なぜなら、何度も繰り返していくことで、どうすれば効率が良くなるかが見えてくるものだからです。
今すぐできることで言うと、MIDIキーボードやギターなどを使いやすい位置に置くとか、パソコンのショートカットキーを覚えるだけでも、効率の良さに繋がります。まずは、できそうなことからやってみましょう。
何となく苦手意識がある
例えば、パソコン操作自体が苦手だったりすると、余計にハードルが高いように感じてしまいます。その場合は、DTMソフトを触る前に、パソコンの基本的な操作方法に慣れることをおすすめします。
私自身も、最初はパソコンのことが何もわからずDTMソフトを触るほどの余裕は全くありませんでした。それでも、パソコン操作自体に慣れてくると、少しはDTMソフトも使いやすくなります。
そして、DTMというのものは義務教育で習うわけでもないので、始める時は大体何もわからなくて当然です。どんなプロでも、皆最初は何もわからないという道を通ってきているのです。そのため、自分だけが特別向いていないとか、あまり深く考える必要はありません。焦らずに、ゆっくり自分のペースで進んでいけば問題ないです。
完璧主義で自分に厳しくしてしまう
私自身も完璧主義っぽいところがあるので、「完璧じゃないと意味がない!」と思ってしまう気持ちはとてもわかります。どこかが微妙でしっくりこないと、ものすごくモヤモヤするんですよね。
完璧主義な人は、「0か100のどっちかしかない」というような考え方をしがちです。言い換えると、「100になれないのなら0でいい」というような感じです。
しかし、完璧であることを最初から求めてはいけないのです。最初から完璧なものなんて、作れるはずがありません。
例えば、プロの歌手でさえ、デビューしたばかりの頃のライブより、何年も何十年も場数を踏んで経験してきた後の方が完成度が高いです。それは、そこに辿り着くまでにたくさんの失敗や成功を経験してきたからです。
それと同じように、なるべく完璧に近づけたいと思うのであれば、失敗や成功の経験をたくさん積んでいく必要があります。何事も始めたばかりの頃は、経験を積むための通過地点にいるという気持ちでいましょう。そうすることで、「今は完璧である必要はないんだ」と少し気持ちが楽になります。
自分一人で何とかしようとしている
初心者でDTMを始める場合、周りにやっている人がいなかったりなどで、誰かに相談する環境がない場合もあります。自分一人でやるのも良いですが、わからないことが出てきても相談できる人がいなければ「自分にはやっぱり無理だ…」と難しく考えてしまいやすいです。そうなると、モチベーションも下がり、なかなか思うように進めることができません。
また、誰かを頼るという発想がそもそもない人もいます。しかし、やはり経験のある人に相談したりアドバイスを貰える環境があった方が、上達するのも早くなります。
なぜなら、経験のある人はあなたよりも先に同じような失敗をたくさん重ねてきている可能性が高いからです。その度に問題を解決し続けてきた人が、上達できるのです。自分で失敗して学んでいくこともたくさんありますが、一人で悩み続けるよりも効率よく上達していくことができます。
使っているソフトが自分に合っていない
DTMのソフトといっても、何種類も存在します。その中で、自分に合ったソフトを選んでいるかどうかというところも重要です。
例えば、私の場合はLogic Proを使用しています。このソフトを選んだ理由は、まずは扱いやすいのと、プラグインなどをたくさん買い足さなくても最初から優秀なものが多数入っていたからです。また、シンセなどのデジタルっぽい音が好きなので、そういったジャンルに特化しているところも気に入っています。
このように、人によって性格や好みも全然違うので、万人に対して同じソフトをおすすめできるわけではないのです。そのため、自分の性格や好みに合わせて、どんなソフトが合いそうなのか検討するのがおすすめです。
DTMが難しいと思った時の対処法
DTMが難しいと思ってしまう原因に対して、以下の〇つの対処法が存在します。
・音楽理論を学ぶ ・低クオリティでもいいのでとにかく曲を作る ・やらなくていいことを探す ・タスクを細分化する ・プロの作曲家や音楽仲間に相談する ・DAWソフトの変更を検討する |
それぞれについて、解説します。
音楽理論を学ぶ
音楽理論というものは、必ずしも学ばなければ曲を作ることができないというわけではありません。しかし、知識をつけておくと迷った時に助けてくれる存在となります。
音楽理論を知っているに越したことはありませんが、何も知らなくても作曲をすること自体は可能です。ただ、いろいろ作っていくうちに、「あと一歩何かが物足りないな…」と思うことが出てきたり、行き詰まってしまったりすることもあります。その時に初めて理論を学ぶというやり方でも問題ありません。
音楽理論を全て学ぼうと思うと、ものすごく膨大な量になります。プロの人やセンスのある人が感覚的にできているテクニックを、何も知らない人に対してでもわかりやすく理論的に説明してくれるものが、音楽理論なのです。
例えば、初めて使うものに説明書がついているとします。でも、最初から最後まで全部読むのではなく、「こういう時はどうすればいいのだろう?」と疑問に思った時にそのページだけを見てみる、というような感じで、都度調べながら音楽理論を取り入れていくのがおすすめです。
低クオリティでもいいのでとにかく曲を作る
初心者の時こそ、意気込んで「良い曲を作るぞ」という気持ちが強すぎて、現実とのギャップを受け入れられず作業が停滞しがちです。納得いくものが作れない時に、「何か違う…」と思いながら路頭に迷う気持ちはとてもわかります。
しかし、クオリティを気にする前に、初心者にはもっと大事なことがあります。それは、曲を完成させることです。納得のいくクオリティじゃなくても良いので、とにかく作りまくるのです。クオリティの細部にこだわるのは、曲がたくさん作れるようになってからで全然大丈夫です。
「何か違う…」と思ったところでずっと立ち止まってしまうと、なかなか曲を完成させることができません。その結果、DTMは難しいとか、自分には無理だと思ってしまい、挫折に繋がりやすいのです。
やらなくていいことを探す
極端な話、初心者のうちは楽しくないと思うことはやらなくてもいいです。自分にも出来そうなことで、且つ楽しめそうなことからやっていけばいいのです。
その為には、優先順位をつけましょう。あれこれ全部一気にやろうとしても、なかなかうまくいきません。
例えば、「しっくりこなくてもいいから、とにかくコード進行だけは1曲最後まで完成させる。それ以外はできなくても良い。」というぐらいの気持ちで、割り切って作業をしてみましょう。
タスクを細分化する
まずは、やることリストを作りましょう。DTMでは、やることが無限にあります。そのため、何からやっていいのかわからなくなってしまわないように、整理するのです。
■コード進行を作る
■鼻歌でメロディーを作る
■サビだけ歌詞を考えてみる
このように、タスクを細分化して、簡単なものから手を付けましょう。そうすることで、頭の中を整理しながら自分のペースで進めることができます。
プロの作曲家や音楽仲間に相談する
自分一人だけで試行錯誤を重ねてやっていると、どうすればいいのかわからなくなり、立ち止まってしまうことがあります。自分だけでやることに限界を感じる場合は、プロを頼ってみたり、音楽をやっている繋がりがあるのであればその仲間に相談してみたり、人を頼るということも視野に入れてみてください。
ただし、「どうすればいいですか?」「どうしたら上手くなりますか?」というような漠然とした質問をしてしまうと、回答する方も困ってしまいます。まずは、自分の躓いていることが何なのか、できないことやわからないことを明確化しましょう。
そうすることで、質問や相談の内容も具体的になり、的確なアドバイスをして貰いやすくなります。
DAWソフトの変更を検討する
もしかすると、今使っているソフトが自分に合っていない可能性も考えられます。その時は、他のソフトに変えてしまった方が良い場合があります。
ソフトにも人それぞれ相性があります。人によって、目的も違えば性格や音楽への姿勢なども違います。そのため、誰にとってもベストなソフトというのはなかなか存在しません。
性格で選ぶとしたら、一般的に使われているソフトを特徴で大まかに分けると、「フィーリングタイプ」と「論理派タイプ」に分けることができます。
フィーリングタイプ | 論理派タイプ | ||
➀Ableton Live | ➁Bitwig Studio
③Protools ④FL Studio |
➀Cubase | ➁Sonar
③Logic ④StudioOne |
上にいくほど、その特徴が強く現れたソフトになっています。自分の性格が感覚派だなと思う人はフィーリングタイプの中から、論理派だなと思う人は論理派タイプの中からソフトを選んでみるのも、一つ参考になります。
まとめ
ここまで、DTMが難しいと感じてしまう原因とその対処法について解説してきました。
・音楽理論を学ぶ
・低クオリティでもいいのでとにかく曲を作る
・やらなくていいことを探す
・タスクを細分化する
・プロの作曲家や音楽仲間に相談する
・DAWソフトの変更を検討する
「難しすぎる…」と挫折しそうになっている方は、是非これらの方法を試してみてください。そうすることで、今までよりもDTMに対してのハードルが下がり、「やってみようかな」という気持ちにもなりやすいと思います。是非、試してみてくださいね。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。