Logic Pro ⅩのFlex Pitchでのボーカルピッチ補正・音程補正のやり方

 
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 こんにちは。歌い手&作詞作曲DTMerのLettyです。

Logic Proで歌の録音はしてみたけど、ピッチ補正のやり方がわからない、できない…という人もいるのではないでしょうか。ピッチ補正というと、何かすごく難しいことをしなければならないような気がしてしまいますよね。

私も、「ソフトが自動でやってくれればいいのに…(笑)」と思いながらいつも作業をしています。しかし、使い方は意外とシンプルなので、覚えてしまえば簡単に操作することができます。

そこで今回は、ボーカルのピッチ補正をするための手順を詳しく紹介していきます。

ピッチ補正(修正)とは

ボーカルの音声などに対して音程補正を行う作業のことを、ピッチ補正と言います。ソフトによって名前は違いますが、Logic Pro X(ロジックプロ)の場合では、Flex Pitchという機能を使うことでピッチ補正を行うことができます。

Flex Pitchでできること

Flex Pitchで解析できるのは単音のみです。和音の場合は解析されないので、注意してください。

また、Flex Pitchではタイミング修正を行うことも可能です。他には、ケロケロボイスやハモりを作成することもできます。その方法についても、最後に説明していきます。

Logic Proの機能【Flex Pitch】による音程補正の手順・やり方

まずは、ボーカルのピッチ補正についての基本的なやり方を説明していきます。手順は以下の6つです。

・ピッチ解析をする

・半音単位でピッチ補正をする

・ピッチの微調整をする

・ノートを分割する

・ノートを接着する

・タイミングを修正する

それぞれについて、解説します。

ピッチ解析をする

①オーディオトラックにボーカル音源を準備する

②Flexモードに切り替える

アイコンをクリック、もしくはcommand+FでONになります。

③Flexポップアップメニューから、Flex Pitchを選択する。

これでトラックを開くと、ピッチの解析がされます。

半音単位でピッチ補正をする

Flex Pitchの編集画面では、1つ1つの音がMIDIノートのようにバーとして表示されます。音程バーをドラッグして上下に動かすことで、半音単位で音を変えることができます。

ピッチの微調整をする

先ほど、音程バーを動かすことで大まかに音程を整えていきました。しかし、それだけではまだ音程が完璧な状態ではありません。

声の出だしが上ずってしまったり、微妙に音程が高かったりすることもあります。今度は、そういった細かい部分を修正していきます。

そこで、次は音程バーの上に描かれている白い線のようなものを触っていきます。これは、ボーカルの声を波形として表したものです。

ここでは、5つの機能を使ってより細かく音程を微調整していくことができます。

Fine Pitch音程の微調整ができる。

Gain:音量の微調整ができる。上げすぎたり下げすぎたりすると不自然になるので気をつけて微調整する。

Vibrato:ビブラートの効果を与えたり、元々のビブラートを抑えたり強くしたりできる。

Pitch Drift:音の立ち上がりと立ち下がりのピッチを調節することができる。出だしの声が上ずってしまったり、最後に下がってしまった場合などに調節する。

Formant Shift:声質を変化させることができる。

補正したい場所の丸を掴んで上下に動かすことで、音を修正することができます。

ノートを分割する

音程が変わっているのに、別の音と一緒に1つの音として認識されてしまっていることがあります。例えば、上の画像のように白い曲線が音程バーから大きくずれているような場合です。その場合は、ハサミツールを使うことで好きな位置でノートを分割することができます。そうすることで、より細かく精度の高い修正ができます。

ハサミツールを使用する方法は、2種類あります。

①左クリックツールで切り替える

左クリックツールは、メインで使用するツールになります。上の画像で、四角で囲んである部分をクリックします。

すると、ツールを選択することができます。

ここで、ハサミツールを選択します。すると、カーソルがハサミのマークに切り替わります。

この状態で好きな位置でクリックすると、ノートを分割することができます。分割すると、下の画像のようになります。

これで、さっきまで一つになっていたノートを2つに分けて、それぞれ別の音として編集することができるようになりました。

②command+クリックツール

上の画像で、四角で囲んである部分をクリックします。

ハサミツールを選択します。

①の場合はメインで使用するツールなので、選択してあるものが常に表示されているカーソルになります。しかし、右側のcommand+クリックツールの場合は、ハサミツールを選択した場合だと、commandを押している間ハサミのマークが表示されます。そして、commandを押したまま分割したい位置でクリックすると、ノートを分割することができます

commandを押したままクリックすると、①の時と同じようにノートが分割されます。

これで、ノートを2つに分けることができました。

ノートを接着する

別々になっているノート同士を接着ツールを使って1つにまとめることもできます。接着ツールは、先ほど分割した時にハサミツールを選んだところと同じ場所から選択できます。

これで、選択した複数のノートが接着されました。

タイミング修正のやり方(リズム補正)

タイミングを修正するというのは、つまりリズム補正を行うことです。

タイミングを修正したい音のノートを、クリックして選択します。そして、端を左右にドラッグするとタイミングを変えることができます。

ケロケロボイスの作り方

簡単なケロケロボイスの作り方を解説します。

Vibratoを上下にドラッグして、波形を真っ直ぐにします。この値を0にすることで、声が機械的になってケロケロボイスを作ることができます

メインボーカル音源からのハモりの作り方

ハモりの作り方を解説します。

メインボーカルを別トラックに複製し、それをハモリとして使います。そのままではメインボーカルと同じ音程になっているので、ノートを選択してドラッグしながら上下にずらします。ピッチ補正のやり方と同じですが、全体を選択して行うことでハモリを簡単に作成することができます。

 

まとめ

ここまで、ピッチ補正の方法、タイミング修正の方法、ノートの分割・接着の方法、ケロケロボイスの作り方、ハモリの作り方を解説してきました。

・ピッチ補正とタイミング修正はFlex Pitchで行う

・ノートの分割はハサミツール、接着は接着ツールを使う

・ケロケロボイスはノートのVibratoの値を0にして作る

・ハモリはノートを上下にずらすだけで簡単に作れる

音程やリズムをきちんと整えて修正するだけで、全体がまとまって綺麗に聞こえます。ケロケロなどをかけずにナチュラルに聞かせたい場合は、あまり補正に頼りすぎると不自然になりやすいので、その場合は録音に戻って録り直した方がいいかもしれません。

補正を上手に使えば音源のクオリティが上がるので、ぜひやってみてください。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

 

 
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