こんにちは。歌い手&作詞作曲DTMerのLettyです。
作曲をするときに、コード進行を考えるのが難しい…と悩むことや躓くこともありますよね。しかし、コード進行は自分で1から考えなくても多くの人が使っているお決まりのパターンがたくさん存在します。料理でいうと、レシピのようなものです。コード進行に著作権はないので、他の曲に使われているからといって同じコード進行を使ってはいけないというルールはありません。しかし、そのまま使うと同じような曲になってしまう場合もあるので、慣れてくるとアレンジを加えたりしてみるなど、使い方もいろいろあります。
よく使われているパターンを知ることで、圧倒的に作曲がしやすくなります。
そこで、今回は有名な曲によく使われているコード進行のパターンを紹介していきます。
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カノン進行
Ⅰ→Ⅴ→Ⅵm→Ⅲm→Ⅳ→Ⅰ→Ⅳ→Ⅴ(1-5-6-3-4-1-4-5)
コード進行の中でも、一番有名と言われているのがカノン進行です。パッヘルベルの「カノン」で使われたコード進行になります。コード進行の中で、安定したコードや不安定なコードを通って元に戻り、繰り返すことのできるコード進行のことを循環コードといいます。
カノン進行においては、このような循環コードの構成になっていることが特徴になります。
それにより、日本人にとっては馴染みやすく親しみやすい印象があります。このまま使うと普通すぎる曲になってしまいますが、アレンジを加えることによってオリジナル感を出すことができます。
このコード進行が使われた楽曲例:マリーゴールド/あいみょん、キセキ/GReeeeN
王道進行
①Ⅳ→Ⅴ→Ⅲm→Ⅵm(4-5-3-6)
王道進行は、非常に多くの楽曲で使用されています。だいたいサビでの使用頻度が多いですが、AメロやBメロなどでも使用されます。このコード進行は、ストーリー性を感じさせるような構成になっています。どういうことかと言うと、それぞれのコードの役割を見てみると、「少し不安定」な響きから「不安定」になり、その後「安定」するという流れになっています。
それにより、物語でいうと起承転結のような演出を作り出すことができます。
こちらは王道進行の基本形ですが、最近ではこのまま使うよりも少しアレンジを加えたバージョンが使われることが多いです。
このコード進行が使われた楽曲例:完全感覚Dreamer / ONE OK ROCK
②Ⅳ→Ⅴ→Ⅲ7→Ⅵm(4-5-3-6)
こちらは、①の王道進行の基本形から派生したバージョンです。Ⅲmの部分がⅢ7に変わっています。これにより、基本形の王道進行と比べてドラマチックで泣けるような印象のコード進行になります。
③Ⅳ→Ⅴ→#Vdim→Ⅵm(4-5-#5-6)
こちらも、①の王道進行の基本形から派生したバージョンになります。エモい雰囲気もありつつ何となく悲しい感じになります。
④Ⅳ→Ⅴ→Ⅲm→Ⅵm→Ⅴ(4-5-3-6-5)
こちらも、①の王道進行の基本形から派生したバージョンになります。王道進行を繰り返して使用したい時に、アレンジとして使用できます。
J-POP進行
①ⅣM7→Ⅴ7→Ⅲm7→Ⅵm(4-5-3-6)
先ほどの王道進行の①に、M7や7をつけてアレンジを加えたバージョンです。セブンスが入ることによって少しエモい雰囲気になります。
J-POPで非常によく使われるコード進行で、最近では王道進行よりもこちらの方を日本人は好みがちです。
②ⅣM7→Ⅴ7→Ⅲ7→Ⅵm(4-5-3-6)
J-POP進行の①のコード進行のⅢm7の部分を、Ⅲ7に変更したバージョンです。普通のJ-POP進行よりも、切ない印象を与えます。
③Ⅱm9→Ⅴ7→Ⅲm7→Ⅵm(2-5-3-6)
こちらは①のコード進行のⅣM7を、Ⅱm9に変更したバージョンです。普通のJ-POP進行よりも、大人っぽくてエモい雰囲気を与えます。
Just The Two of Us進行
椎名林檎さんがよく使っているコード進行です。このコード進行を使うと、おしゃれでジャズっぽい雰囲気を出すことができます。
よくあるJust The Two of Us進行の3パターンはこちらです。
①Ⅳ→Ⅲ7→Ⅵm7→I(4-3-6-1)
このコード進行が使われた楽曲例:夜に駆ける/YOASOBI
②ⅣM7→Ⅲ7→Ⅵm7→Ⅰ7(4-3-6-1)
このコード進行が使われた楽曲例:丸の内サディスティック/椎名林檎
③ⅣM9→Ⅲ7→Ⅵm7→Ⅴm→I(4-3-6-1)
このコード進行が使われた楽曲例:デザイナーズマンション/スキマスイッチ
6415進行
Ⅵm→Ⅳ→Ⅰ→Ⅴ(6-4-1-5)
感動的な曲を作りたい時によく使われるコード進行です。また、力強く壮大で、ドラマティックな雰囲気を出すことができます。6415進行を繰り返すことで、洋楽っぽい感じにもなります。ただ、繰り返すと機械的な感じにもなりやすいので、飽きてしまう場合は4小説目のコードだけを変えてみたりして変化をつけると良いです。サビで繰り返して使われることが多いコード進行です。
このコード進行が使われた楽曲例:The Beginning / ONE OK ROCK
4156進行
Ⅳ→Ⅰ→Ⅴ→Ⅵm(4-1-5-6)
少し不安定な感じから始まるのが特徴で、洋楽でもよく使われているコード進行です。最初から最後までずっとこのコード進行が続いている曲もあります。繰り返すことで、洋楽っぽい雰囲気になります。こちらもよくある王道のコード進行ですが、先ほどの6415進行の順番のまま、始まりを4からに変えただけです。
6415進行より、ちょっとキュンとするような感じもありつつ、過去を思い出して切なくなるような雰囲気があります。
バラード系の曲でこのコード進行を使うと相性が良いです。
このコード進行が使われた楽曲例:Lemon/米津玄師
レット・イット・ビー進行
Ⅰ→Ⅴ→Ⅵm→Ⅳ(1-5-6-4)
こちらは、ビートルズの「Let It Be」に使われているコード進行です。別名「感動コード」とも呼ばれており、感動的で切なさと爽やかさを感じさせることができます。しかし、このまま使ってしまうと「Let It Be」の印象が非常に強区なってしまうので、ポイント的にどこかに織り交ぜて使うと良いです。
このコード進行が使われた楽曲例:Let It Be/The Beatles
小室進行
①Ⅵm→Ⅳ→Ⅴ→Ⅰ(6-4-5-1)
小室哲哉さんがよく使っていたコード進行で、これが小室進行の基本型になります。少し暗くて切ない雰囲気になります。
②Ⅵm→Ⅳ→Ⅴ→Ⅰ→V/VⅡ(6-4-5-1-5/7)
基本の小室進行を少しアレンジしたバージョンです。Ⅵm-Ⅳ-Ⅴまでが全音符になっているのに対して、最後のⅠ-V/VⅡは2分音符になります。
これにより、少し疾走感のある感じになります。
③Ⅵm7→ⅣM7→Ⅴ7→ⅠM7(6-4-5-1)
こちらは、基本の小室進行にセブンスを付け足してアレンジしたバージョンです。基本の小室進行に比べて、都会的でおしゃれな印象になります。
④I→Ⅵm→Ⅳ→Ⅴ(1-6-4-5)
基本の小室進行の1を先頭にずらしたバージョンです。明るくて開放的な印象があります。
1625進行
①I→Ⅵm→Ⅱm→Ⅴ(1-6-4-5)
こちらは、ジャズに多いコード進行ですが、J-POPでも使われます。先ほど紹介した小室進行の④I-Ⅵm-Ⅳ-Ⅴ(1-6-4-5)の3番目のコードをⅡmに変えたバージョンです。Aメロ、Bメロ、サビ、どの構成でも使えるコード進行です。
②Ⅰ→Ⅵm7→Ⅱm7→Ⅴ7(1-6-2-5)
先ほどの①のコード進行にセブンスをつけてアレンジしたバージョンです。4和音になることでおしゃれな雰囲気が出ます。
3456進行
Ⅲm→Ⅳ→Ⅴ→Ⅵm(3-4-5-6)
だんだん音が上がっていくため、少しずつ盛り上げていきたい時に使われるコードです。雰囲気としては、少し暗めではあるけどエモい感じになります。RADWIMPSがこのコード進行を多用しています。
このコード進行が使われた楽曲例:RADWIMPS/会心の一撃
下降転調
Ⅳ△7→Ⅲm7→♭Ⅳ△7→♭Ⅲm7(4-3-4-3)
こちらは、きゃりーぱみゅぱみゅさんやPerfumeさんをプロデュースしている中田ヤスタカさんがよく使っている印象があります。少しづつ下がっていくような感じがあり、浮遊感を感じさせることができます。
このコード進行が使われた楽曲例:つけまつける/きゃりーぱみゅぱみゅ
まとめ
今回は、作曲に使えるコード進行をたくさん紹介しました。
「このコード進行を使うとこんな雰囲気になる」というイメージがわかっていると、作りたい曲のイメージに合わせてコード進行を選ぶことができるので、とても便利です。
コード進行は最初から自分で考えなくても、ある程度売れ筋の曲で使われているコード進行が存在するので、それらをうまく組み合わせて使用すると作曲がスムーズに進めやすくなります。
ぜひ、今回紹介したコード進行を使ったりアレンジを加えたりして、作曲に使ってみてください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。