DTM初心者は耳コピができない?おすすめのやり方と曲選び

 
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 こんにちは。歌い手&作詞作曲DTMerのLettyです。

突然ですが、DTMをやっている皆さんは、耳コピをしたことがありますか?耳コピとは、その名の通り「耳で聞いたものをそのまんまコピーする」ということです。
作曲や編曲の能力アップに一番おすすめの方法が、耳コピをすることです。耳コピをすると、好きなフレーズやコード進行などが自分の引き出しとして増えていくので、どんどん作曲能力が上がっていきます。
しかし、「耳コピって難しそう…」というイメージがあったりしますよね。たしかに簡単な作業ではなかったりしますが、耳コピをするコツとしては、聞き取りやすい曲を選ぶこともすごく大切になってきます。
そこで今回は、耳コピのやり方と曲の選び方について、詳しく解説していきます。

DTM初心者が耳コピをした方が良い理由

まず、なぜ初心者が耳コピをした方が良いのかについて解説します。その理由は、以下の3つです。

・音楽的な耳が鍛えられる

・実力が上がる

・既存曲から様々な影響を受けることができる

それぞれについて、詳しく解説していきます。

音楽的な耳が鍛えられる

普段聴いている好きな曲のメロディーは、何も見なくてもすぐ歌えてしまいますよね。なぜなら、何度も何度もその曲を聴くことによって、耳が鍛えられてフレーズを自分のものにできているからです。

これは、歌のメロディーだけではなく、楽器でも同じことが言えます。繰り返しコピーしていくことによって、クオリティーも上がっていくのです。

まずは、既存曲の真似をして、耳をどんどん鍛えていきましょう。

実力が上がる

耳コピをしていると、「こうかな?」「やっぱり違うかな?」と色々考えながらやっていくことになります。その中で、「このコード進行がしっくり来るな」とか、「この音とこの音を同時に鳴らすと気持ちいいな」とか、感覚的にわかってくることがあります。

このように、自分で試行錯誤やっていく過程が、実力アップに繋がっていきます

既存曲から様々な影響を受けることができる

自分の好きなジャンルの音楽、学びたいと思っているジャンルの音楽においてコピーをたくさんしていくことで、自然と自分の中にフレーズの引き出しが増えていきます。また、「こんな音楽を作ってみたいな」と思うきっかけになったりもします。

このように、既存曲から様々な影響を受けることで、自分の楽曲制作にも生かしていくことができます。どんなジャンルでもそうですが、最初は真似することから上達していくことが多いです。まずはコピーをたくさんやっていきましょう。

耳コピのやり方5パターン

ここでは、耳コピのやり方について解説します。これには、5パターンあります。

・メロディとコードだけコピーする

・気になったフレーズ部分だけコピーする

・音色だけコピーする

・バンドスコア(楽譜)を見ながら打ち込む

・全てのパートを耳コピする

それぞれについて、ここから詳しく解説していきます。

メロディとコードだけコピーする

初心者の場合は、まずはメロディとコードだけでも大丈夫です。いきなり全部のパートをコピーするのは難しいので、最初から無理をしなくても大丈夫です。

「ここならできそうだな」と思う楽器のパートや、聞き取りやすい部分だけをコピーするだけでも、耳が鍛えられていくのでおすすめです。

気になったフレーズ部分だけコピーする

好きなフレーズがある時は、その部分だけでもいいのでコピーしてみましょう。いろんな楽曲において、気に入ったフレーズをたくさんコピーしていくと、「自分はこんな感じのフレーズが好きなんだな」とわかってくることがあります。

自分が聞いていて気持ちがいいと感じたり、感動的な印象を与えたり、悲しい印象を与えたりするものなど、様々なフレーズを自分の引き出しに増やしていきましょう。

音色だけコピーする

ギターやシンセの音色だけコピーしてみるのもおすすめです。世の中に溢れている楽曲では、さまざまな音色が使われています。

特にギターやシンセに関しては、日々新しい音色が出てきています。それを自分でも再現できるようになると、「この楽器はこうやって音が作られているのか!」と新たな発見ができたりして、とても勉強になります。

バンドスコア(楽譜)を見ながら打ち込む

「本当は自分の力で耳コピをしたいけど、そこまでの実力がなく難しい」という場合は、バンドスコアを見ながら打ち込むことをおすすめします。耳コピできなくても、楽譜を見て打ち込むことで曲のコピーを完成させられます。そうすると、「この楽器はこんな動きをしていたのか…」などと、新たな気付きを得ることができます。

全てのパートを耳コピする

ある程度実力がついてくると、全てのパートを耳コピするのをおすすめします。なぜなら、一つ一つの楽器がどのような動きをしているのか把握することができるからです。それにより、自分で曲を作る時も完成をイメージしやすくなります。

ここまでできるようになるのは難しいですが、やってみるとその分大きく成長していくことができます

耳コピする時のおすすめの曲選びの方法

初心者の場合、いきなり音数が多くて難しい曲をコピーするのはとても難しいです。そのため、最初に耳コピをするなら、音数が少ない曲がおすすめです。簡単な曲からチャレンジしてみて、できるようになってきたら音数の多い曲にも挑戦してみましょう。

《耳コピしやすい曲の特徴》

①テンポ(BPM)が遅めである

②使用されている楽器の数や音数が少ない曲

③エフェクトがかかっていない曲

④ボーカルが入っていない、instrumental音源

耳コピする前の下準備

それでは、耳コピをする前に、効率よく作業を進めるためにどのような下準備をすれば良いのでしょうか。具体的には、以下の2つの手順です。

・コピーしたい曲をDAWに取り込む

・テンポ(BPM)を合わせる

それぞれについて、ここから詳しく解説していきます。

コピーしたい曲をDAWに取り込む

MP3やWAVなどのオーディオファイルを、DAWソフトに取り込みます。

テンポ(BPM)を合わせる

先程DAWに取り込んだ、コピーしようとしている楽曲のBPMに数値を合わせます。DAWソフトによって表示されている場所はそれぞれですが、Logicの場合は1番上に設定するところがあります。

TEMPO(テンポ)と書いてあるところが、BPMの数値になります。下の画像で言うと、「120」と表示されているところになります。

この時、BPMの数値を合わせたら、取り込んだオーディオファイルの音源も、1拍目がDAWソフトの小説の頭に合うように動かしてください。音源を再生してみて、聞きながらピッタリ合うところに合わせましょう。

耳コピする時の手順・やり方

それでは、耳コピする時の基本の手順について、解説していきます。具体的には、以下の6つの手順です。

・曲の構成を把握する

・曲のkey(スケール)を探す

・ドラムから打ち込む

・ベースを打ち込む

・コード楽器を打ち込む

・残りの楽器を打ち込む

それぞれについて、ここから詳しく解説していきます。

曲の構成を把握する

(例)

楽曲には、イントロ→Aメロ→Bメロ→サビ→間奏…などのように、構成というものが存在します。楽曲における構成とは、全体の枠組みや骨格のようなものです。

例えば、物語で言うと起承転結というものが存在しますよね。それと同じように、音楽も場面ごとに変化があります。まずはコピーする曲をじっくり聞いて、紙やメモ帳に構成を書き出してみましょう。

また、曲を構成している「イントロ」や「Aメロ」などの一つ一つの塊ことを、セクションといいます。構成を書き出したら、どこのセクションをコピーするのかを決めます。それぞれのセクションが何小節になっているのかも、カウントしてみましょう。

曲のkey(スケール)を探す

楽曲には、必ず「key(キー)」というものが存在します。別名では、「スケール」といいます。

カラオケに行ったことがある人なら、リモコンや画面でキーを変更できる機能を見たことがある人も多いのではないでしょうか。keyというのは、まさにそれのことです。

簡単に言えば、例えば「ドレミファソラシド」という一塊のことを指します。”この中に含まれている音を使えば、違和感のない音楽が作れますよ”というルールみたいなものです。

しかし、必ずしも「ド」から始まるkeyで曲ができているわけではありません。何の音からスタートするのかによって、keyが変わるというわけです。まずはそれを探っていく必要があります。

コピーする曲を流しながら、自分でもピアノなどで音を鳴らしてみて、何の音が使われているのかを探ってみてください。スケールを探る時は、メロディーに使われている音を聞くとわかりやすいです。そうすることで、曲のkeyを把握することができます。

ドラムから打ち込む

ドラムは、楽器の中では比較的聞き取りやすいパートです。曲全体のリズムは、ドラムの動きによって決まります。まずはドラムから打ち込んでいくことでリズムの基盤ができるため、他の楽器を後から重ねやすくなります。

ベースを打ち込む

ベースは、ドラムと連動してリズム感を担っています。また、コード感を強調する役割もあります。

ベースは他の音に埋もれて聞き取りにくいこともありますが、EQ(イコライザー)のプラグインを使うことで聞き取りやすくなります。イコライザーを使ったやり方は、後ほど解説します。

コード楽器を打ち込む

ベースの音が聞き取れたら、それをもとにしてコードを探していきます。楽曲には必ずコードが存在しており、それに合わせて違和感のないように、他の楽器も音が重なっています

スケール(key)が分かれば、何のコードが使われているのかもわかります。そして、コードがわかれば他のパートも圧倒的にコピーしやすくなります。

したがって、まずはコードを鳴らしている楽器を聞き取り、打ち込んでみましょう。

残りの楽器を打ち込む

主要な楽器の打ち込みが終わったら、それ以外のパートを打ち込んでいきます。

聞こえにくい音をはっきりさせる裏技

これは、DAWソフトがあるからこそできる方法です。楽曲にはいろんな音が重なっているため、どうしても聞こえづらい音もあると思います。そういう時は、楽曲を取り込んでいるトラックに、「EQ(イコライザー)」のプラグインを挿します

EQを使って聞こえづらいと感じる楽器のパートの帯域をブーストすることで、ぼやけていた音がくっきりと浮き出て聞こえやすくなります。

それでは、各パートにおいて、聞き取りやすくなるEQの使い方を説明していきます。よく使うのは、次の5つです。

・ドラムのキック(バスドラム)

・ドラムのスネア

・ドラムのハイハット

・ベース

・ギター

それぞれについて、解説していきます。

ドラムのキック(バスドラム)

ロックやバラード系であれば80~100Hzあたり、EDM系の曲であれば50~60Hzあたりの帯域をブーストし、それ以外をカットすると聞き取りやすくなります。

また、ヘヴィメタルのような激しめの楽曲であれば、6~10kHzあたりの帯域も同時にブーストしてみると聞き取りやすくなります。

ドラムのスネア

基本的にはそのままでも聞き取れることが多いですが、わかりづらい場合は200Hzあたりをブーストし、それ以外をカットすると良いです。

EDM系の楽曲だとドラムのキックに埋もれやすいので、そのままだと聞き取りづらいことがあります。

ドラムのハイハット

8~10kHzあたりの帯域をブーストし、それ以外をカットすると聞き取りやすいです。

ベース

100~200Hzあたりの帯域をブーストし、それ以外をカットすると聞き取りやすいです。

ギター

200~300Hzあたりの帯域と4kHzあたりの帯域を同時にブーストし、それ以外をカットすると聞き取りやすくなります。

まとめ

ここまで、耳コピの具体的なやり方と曲の選び方について解説してきました。

耳コピしやすい曲の条件は、

①テンポ(BPM)が遅めである

②使用されている楽器の数や音数が少ない曲

③エフェクトがかかっていない曲

④ボーカルが入っていない、instrumental音源

の4つになります。

耳コピの具体的なやり方としては、

・曲の構成を把握する

・曲のkey(スケール)を探す

・ドラムから打ち込む

・ベースを打ち込む

・コード楽器を打ち込む

・残りの楽器を打ち込む

という順序で行うのがおすすめです。また、聞き取りづらい楽器がある場合は、EQでブーストしましょう。

耳コピをしていくことで、作曲や編曲の能力がどんどん向上していきます。そして、やればやるほど多くのフレーズや感覚の引き出しが増えていきます。今回紹介した内容を意識して、是非耳コピに挑戦してみてください。

最後ま読んでいただき、ありがとうございました。

 
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