DTMにおける楽器の構成は?定番の作曲の編成と役割について

 
Pocket

 こんにちは。歌い手&作詞作曲DTMerのLettyです。

「作曲をしてみたいけど、どんな楽器を使って作ればいいのかわからない…」「楽器の構成ってどんな風になってるの…?」などと、困っている方もいるのではないでしょうか?

私も、作曲を始めたばかりの頃は何が何だかわかりませんでした。しかし、音楽を構成する要素は何なのかということを把握することで、ジャンルが変わっても楽器の構成にはあまり悩まなくなりました。

そこで今回は、DTMで作曲をする時に、曲中で使う楽器はどのように構成すればいいのかということについて詳しく解説していきます。

【DTM】音楽の3大要素

音楽には、3大要素と言われるものがあり、これが基本となっています。それが、以下の3つです。

・リズム

・メロディ

・ハーモニー

それぞれについて、詳しく解説します。

リズム(拍子)

3大要素の中でも、リズムが一番重要な要素となります。バンドで言うとドラムのパターンなどがリズムを担うパートになっています。

リズムは、曲に一定の周期を与え、テンポをわかりやすく刻むなどの役割があります。また、抑揚やアクセントなども重要な要素となります。

メロディ(旋律)

バンドで言うと、ボーカルやギターソロのフレーズなどがメロディにあたります。メロディは、その曲の顔となる部分であり、印象に残りやすかったり、覚えやすかったりするフレーズを奏でるのが特徴です。

ハーモニー(和音)

2つ以上の音を重ねて同時に鳴らした時の響きのことを、ハーモニーといいます。リズム、メロディだけしかない状態だと、なんとなく物足りない印象になってしまいます。しかし、ハーモニーを重ねることで、より厚みのあるまとまった音楽になっていきます。

どんな曲にも、コード(和音)というものが存在します。このコードがどんどん切り替わっていくことによって曲が進行しているのです。そして、どんなコードを当てはめるかによって、曲の印象が左右されていきます

【DTM】曲を構成する要素(パーツ)

曲を構成するものには、以下の9個の要素があります。

・メロディ(主旋律)

・メロディに対するハモり

・カウンターメロディ(対旋律)

・白玉和音(パッド系)

・オスティナート

・コードを刻む

・リズムパーカッション

・フィルイン

・ペダルポイント(保続音)

それぞれについて、詳しく解説します。

メロディ(主旋律)

歌ものの曲で言えば、ボーカルの歌がメロディになります。ボーカルがいない時の、間奏部分のギターソロなどもメロディになります。メロディは3大要素のうちの1つなので、重要な要素となります。

メロディに対するハモり

ハモりは、主旋律となるメロディに対して3度下や3度上で鳴らしたりすることで、ハーモニーを作ります。ハモりをつけることによって、主旋律がより引き立って聞こえます。

曲の最初から最後まで全てにハモりをつけるのではなく、主旋律を引き立てたい部分にハモりをつけることが多いです。例えば、サビだけとか、Bメロとサビだけとか、曲によって様々です。どこの部分でハーモニーを作りたいのか、主旋律を聴きながらイメージすると良いです。

カウンターメロディ(対旋律)

カウンターメロディとは、主旋律となるメロディに対して別の新たなメロディを付け加えることで味付けをするというようなイメージです。別の呼び方として、「対旋律」「副旋律」「オブリガート」などがあり、これらは全て同じ意味になります。

また、カウンターメロディは必ずしも1つだけとは限らず、複数存在する場合もあります。その場合、メロディ(主旋律)が一番高い音なのに対し、一番低い音を担当するカウンターメロディのことをバスといいます。バス以外に対旋律が存在する場合は、例えばよくある歌ものの曲では、バイオリンなどのストリングス系の楽器がその役割として使われたりします。

主旋律のメロディとバスを合わせて外声と呼ぶのに対し、それ以外に鳴るメロディは内声と呼ばれます。外声の場合は禁則が厳しいですが、内声の場合は緩いので割と自由に動くことができるのです。

カウンターメロディを入れる時に一番大事なことは、主旋律となるメロディの邪魔をしないことです。主旋律より目立ってしまったり、音が大きかったりしてはいけません。あくまでも、脇役として主旋律を引き立てるポジションであることを意識しましょう。

白玉和音(パッド系)

白玉というのは、全音符や2分音符などのような白い音符のことを指しています。しかし、これは別に正式な名前ではなく、長く伸ばすような音符全般に対しての俗称のような呼び方です。

パッドは、ギター・シンセサイザー・キーボードなどでコードトーンを鳴らすことで、音に厚みを持たせます。パッドの役割としては、主に音域的に足りない部分の空間を埋めることです。

曲は、低音域・中音域・高音域まで全体的にまんべんなく広く音が鳴っていることで、スカスカした物足りない感じを防ぐことができます。パッド系は主に中音域を担当することが多く、このあたりの音域の足りない部分を補うという感じで使われます。

オスティナート

同じリズムやメロディの形を持つ一定の短い音符のパターン(フレーズ)を、音形を変えずに何度も繰り返し鳴らすことを、オスティナートといいます。音形を保ったまま、コードの変化に伴って構成音も変わっていきます。主に、曲の中でリフやアルペジオとして使われることが多いです。

また、オスティナートはメロディのような要素も含んでいます。そのため、曲の始まりではメロディの役割として存在していたが、ボーカルのメロディが入ってくるタイミングでオスティナートが伴奏の方に移動するというパターンの曲もよくあります。

コードを刻む

全音符や2分音符などのように長く音を伸ばす白玉和音に対し、細かくコード(和音)を刻む要素も存在します。裏打ちでリズムを刻んだり、曲のリズムに合わせてコードを刻んだりします。割と自由に使えるパーツなので、好きなリズムで鳴らしてみてください。

和音の刻みは、次の小説に入る直前のフィルインとしても使えます。フィルインでコードの刻みを入れると、これから何かが始まるようなワクワク感を演出することができます。

リズムパーカッション

リズムパーカッションは、音楽の3大要素の中でリズムを担う、最も大事なパートになります。また、ドラムセット自体も、どんなものを使うかによって曲の雰囲気がかなり変わってきます

例えば、民族っぽい音楽を作りたい場合であれば、それ特有の太鼓のようなものをキックの代わりとして取り入れてみることでもかなり雰囲気が出ます。EDM系の音楽にしたい場合であれば、生ドラムっぽい音ではなく電子っぽい音で作られたドラムを選ぶことで、イメージと近い音を作ることができます。

また、パーカッションではドラムセットに組まれているパーツだけではなく、ブレーキ音・鳥の声・雨の音・時計の秒針が動く音など、様々な音を効果音として取り入れることができます。これらを上手く取り入れることにより、味付けがされ曲のクオリティを更に上げることができます。

フィルイン

曲中では、パターン化された一定のリズムを繰り返し演奏する中で、セクション同士をスムーズに繋げるために、セクションが切り替わる直前の1~2小節あたりで即興的なフレーズを入れることが多いです。これを、フィルインといいます。

主にドラムが主体となってフィルインを入れることが多いですが、ギターやピアノなどの楽器がフィルインを担当することもあります。フィルインを入れる目的は、セクション間や小節間をスムーズに繋げるためでもありますが、聞き手を飽きさせないための要素でもあります。

例えば、曲の中で一番盛り上げたいサビの直前に、それまでのパターンとは違うリズムやメロディを一瞬入れることで、その後のサビを目立たせることができます。

ペダルポイント(保続音)

曲が始まる時に、バイオリンなどで同じ音がずっと鳴らし続けられていることがあります。このように、同じ音を長く伸ばし続けているものを、保続音といいます。

別の呼び方として、ペダルポイントとも呼ばれます。このように呼ばれるようになったのは、パイプオルガンのペダル鍵盤による持続音に由来しているためです。

また、保続音は曲の冒頭に使われることが多く、静けさを表現したい時や緊張感を出したい時に取り入れます。保続音を取り入れる場合、その曲のKeyの1度、3度、5度の音が使われます

ロックバンドの楽器の基本構成

例として、一番わかりやすいロックバンド系の楽曲でよくある定番の楽器の構成を紹介します。バンドの編成は、音楽に必要な最低限の要素が揃っているので、この編成を基準として考えるとわかりやすいです。

バンドは、主に以下の4つのパートで成り立っています。

・ボーカル

・ギター

・ベース

・ドラム

それぞれについて、詳しく解説します。

ボーカル

バンドには、主役となるボーカルがいます。ボーカルの歌うフレーズが主旋律となります。

ギター

バンドでは、ギターは2人いることが多いです。なぜなら、同じギターという楽器でも役割が違うからです。一人はコードを鳴らしながらリズムを刻むバッキングを担当し、もう一人はボーカルの裏で別のメロディのようなフレーズを奏でるリードギターを担当することが多いです。

例えば、バンド系の楽曲をイヤホンなどでよく聞いてみてください。すると、左耳からバッキング、右耳からリードギターが聞こえてくるというパターンが多いです。

ギターのバッキングは、曲の中で中音域を担当し、全体のコードを引っ張っていく役割があります。ボーカルの裏にリードギターのメロディを入れる場合は、歌の邪魔をしないようにカウンターメロディの役割としてフレーズを奏でます。

また、イントロや間奏部分などでギターソロなどのメロディを入れる場合は、ボーカルがいないのでこの場合はギターのメロディが主役になります。

ベース

ベースは、ドラムと連動してリズムを作っています。そして、音域的には低音域を担当します。

また、ギターの鳴らすコードのルート音を中心に鳴らして、コード感を強く与えながら曲を支えているようなイメージです。人の耳は無意識に低音を求めているので、低音が鳴っていないと物足りない印象を受けやすいです。

そのため、ベースはあまり目立たないですが縁の下の力持ち的な存在なのです。

ドラム

ドラムは、曲全体のリズムを担う重要なパートになります。基本のリズムはバスドラ(キック)とスネアで作り、ハイハットで細かくリズムを刻みます。ライドシンバルで、ハイハットの代わりにリズムを刻む場合もあります。

他には、フィルインでタムが使われたり、セクションの頭などでクラッシュシンバルがよく使われます。

まとめ

ここまで、作曲をする時の楽器の構成について詳しく解説してきました。

・音楽は、3大要素が基本となって構成されている。

・「リズム」「メロディ」「ハーモニー」を主軸として、その他の要素を適宜付け足していく。

・ロックバンドの基本編成は「ボーカル」「ギター」「ベース」「ドラム」でできている。

今回は、曲を構成する要素を9個紹介しました。これらの要素を取り入れることで、作曲における迷いをかなり減らすことができますので、是非やってみてください。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

 
関連ページ